特定技能「外食業」受入れ停止の現在地:10月の審査状況と給食業務の移行案
この記事の概要
- 受入れ停止の現在地:10の質問
- Q1. 外食業分野の受入れ停止は、今も続いていますか
- Q2. 4月13日より前に出した認定証明書交付申請は、どこまで進んでいますか
- Q3. 在留資格変更許可申請は、どの申請が審査されていますか
- Q4. すでに外食業で働いている人の在留期間更新は影響を受けますか
- Q5. 順番が来る前に在留期限が切れそうなとき、どうなりますか
- Q6. 停止はいつ解除されますか
- Q7. 病院や福祉施設の給食業務は、今後どう扱われますか
- Q8. 外食業の試験に合格した人は、そのまま飲食料品製造業で働けますか
- Q9. 他の分野も止まる可能性はありますか
- Q10. 登録支援機関と受入企業は、今なにを確認しておくべきですか
- 判断に迷ったときの相談先
- RakuVisa で「受付日と在留期限」を並べて見る
「外食業の特定技能で、4月より前に出した認定証明書の申請はいつ交付されますか」。
外国人本人や送出し側からこう聞かれたとき、今の答えを持っているでしょうか。結論から言うと、2026年10月時点でも外食業分野の新規受入れは止まったままで、4月13日より前に受理された在留資格認定証明書交付申請のうち、交付の対象になっているのは受付日が2月6日までの申請です(出入国在留管理庁が10月19日に掲載した、10月16日時点の審査状況)。
在留期間更新は通常どおり審査されており、在留資格変更は申請の種類によって扱いが分かれます。そして10月19日の有識者会議では、外食業分野で受け入れてきた病院や福祉施設の給食業務を、2027年度から飲食料品製造業分野で受け入れる案が示されました。
停止の直前に書いた「外食業」上限到達で登録支援機関が検討すべき5つの論点から約7か月がたち、現場の問いは「どう備えるか」から「今どこまで進んでいて、次に何をするか」に変わっています。入管庁と有識者会議の公表資料をもとに、登録支援機関と受入企業からよく出る質問に順番に答えます。
受入れ停止の現在地:10の質問
Q1. 外食業分野の受入れ停止は、今も続いていますか
続いています。出入国在留管理庁は2026年3月27日に「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」を公表しました。外食業分野の特定技能1号の在留者数が2月末時点で約4万6千人(速報値)となり、5月頃に受入れ見込数の5万人を超える見込みだったためです。4月3日に農林水産大臣から法務大臣へ、出入国管理及び難民認定法第7条の2に基づく在留資格認定証明書の交付停止の要請があり、4月13日から停止措置がとられています。
措置の中身は、4月13日以降に受理した外食業分野の在留資格認定証明書交付申請は不交付、同日以降に受理した特定技能1号への在留資格変更許可申請は原則不許可、というものです。受入れ見込数の5万人は2026年1月23日の閣議決定で令和10年度末までの数として設定されたもので、入管庁は「設定以降、外食業分野に大きな経済情勢の変化は認められない」として、この見込数を受入れの上限として運用すると整理しています(第14回有識者会議 資料4-1)。
Q2. 4月13日より前に出した認定証明書交付申請は、どこまで進んでいますか
入管庁は「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」のページで、進み具合を随時更新しています。10月16日時点の内容は次のとおりです。
- 在留資格変更許可申請を優先して処理し、在留者数を踏まえて交付が可能な場合に、受付日順で順次交付する。
- 現在の交付対象は、受付日が2026年2月6日までの申請。
- 申請中の件数(速報値)は、2月7日〜2月28日受理が732件、3月1日〜3月31日受理が1,825件、4月1日〜4月12日受理が4,804件。
- 4月13日以降の受理分は、一時的な交付の停止措置により原則不交付。
つまり、3月や4月上旬に駆け込みで出した申請の前には、まだ2月分の交付待ちと、優先される変更申請が並んでいます。受付日順が原則ですが、申請内容や書類の状況によって順番が前後することがあるとも書かれています。交付や許可を待っている間にも、書類の修正や追加提出を求められる場合があるので、入管からの連絡が本人や申請取次者に届く状態を保っておく必要があります。
Q3. 在留資格変更許可申請は、どの申請が審査されていますか
変更申請は「どの在留資格から変わるか」と「受付日」で扱いが分かれます。10月16日時点の整理を表にまとめます。
| 変更申請の種類 | 対象となる受付日 | 現在の扱い |
|---|---|---|
| 技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)からの変更 | 9月30日までの受理分 | 審査が終わり次第、順次許可 |
| 外食業分野の特定活動(特定技能1号移行準備)からの変更 | 9月30日までの受理分 | 審査が終わり次第、順次許可 |
| 特定技能1号(外食業分野)から同じ分野内での転職 | すべて | 通常どおり審査 |
| 上記以外の在留資格(留学など)からの変更 | 4月12日までの受理分 | 受入れ見込数の範囲内で順次許可。4月13日以降の受理分は原則不許可 |
技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)の修了者と、外食業分野の特定活動からの変更は、4月13日以降の受理分でも例外として許可の対象になっており、3月27日の公表では技能実習の修了者からの変更を特定活動からの変更より優先して処理すると書かれています。受入企業に「留学生を外食業の特定技能で採用したい」と相談されたときは、4月13日以降の受理分が原則不許可であることを最初に伝える必要があります。
Q4. すでに外食業で働いている人の在留期間更新は影響を受けますか
受けません。在留期間更新許可申請は通常どおり、審査が終わり次第順次許可されています。入管庁の資料は、更新は在留者数の増加に影響しないため許可を継続する、と説明しています。更新の実務そのものは、特定技能ビザ更新申請の5つの注意点に書いたとおりです。6か月以上の在留期間を持つ人は満了の3か月前から申請できるので、停止措置を理由に更新を急ぐ必要はありませんが、遅らせる理由もありません。
Q5. 順番が来る前に在留期限が切れそうなとき、どうなりますか
変更申請を出して順番を待っている人の在留期間が、許可の前に満了する見込みのときは、入管庁は不法残留を防ぐため、特定活動(特定技能1号準備)(外食業分野)への申請内容の変更、またはすでに特定活動で在留している人についてはその在留期間更新(1回限り)への申請内容の変更を案内することがあるとしています。3月27日の公表でも、特定活動での在留期間更新は1回までと案内されています。
特定活動を許可された人が、その期間の満了後も特定技能1号として働くことを希望する場合は、満了の概ね3か月前に特定技能1号への在留資格変更許可申請を行うよう求められています。ここで見落としやすいのは、特定技能1号への移行を希望して特定活動で在留した期間も、特定技能1号の通算在留期間(原則5年)に含まれる点です(入管庁 特定技能Q&A 問51)。通算の数え方は通算5年に含まれない期間と6年までの延長を参照してください。
⚠ 注意:申請内容の変更は、入管から案内があって初めて動く手続きです。在留期限が近い案件は、期限の3か月前の時点で「順番が来ていない」と分かるように、受付日と在留期限を並べて管理しておく必要があります。
Q6. 停止はいつ解除されますか
解除の時期は公表されていません。第14回有識者会議(9月9日)の入管庁資料では、実施予定の図に「受入れ再開」の時期が「未定」と書かれ、受入れ見込数の再設定は令和10年度末とされています。審査状況のページは、交付・許可の状況について入管庁、地方官署、農林水産省へ問い合わせても回答できないと明記しています。
同じ会議の議事要旨には、有識者から「閣議決定からわずか約2か月での受入れ停止は行政のミスと言える状況」という意見のほか、受入れ人数を現行より高い頻度で公表すること、受入れ停止の出口戦略で事業者と外国人材の予見可能性に配慮すること、停止が事業者と外国人材に与えた影響を早期に検証し必要に応じて受入れ見込数の見直しを含む対応策を検討すること、を求める意見が記録されています。制度側も「次の停止」をどう予告するかを課題として受け止めていると読めますが、具体策はまだ示されていません。
Q7. 病院や福祉施設の給食業務は、今後どう扱われますか
10月19日の第15回有識者会議で、農林水産省・厚生労働省・文部科学省が「外食業分野における医療・福祉施設給食業等の飲食料品製造業分野での受入れ(案)」を示しました。概要は次のとおりです。
- 外食業分野の対象であった医療・福祉施設給食業等(食材の下処理、非加熱・加熱調理等の一連の製造を行い、医療・福祉施設給食等を製造する業務)の新規申請分について、令和9年度(2027年度)から緊急的措置として飲食料品製造業分野で受け入れる。
- 措置の内容は2つ。①育成就労の外食業分野の分野別運用方針で主たる技能とされている「医療・福祉施設給食製造」を、飲食料品製造業の業務区分に付け替える。②飲食料品製造業分野の上乗せ告示に、受入れ対象の事業所として、日本標準産業分類の中分類81(学校教育)、82(その他の教育・学習支援業)、83(医療業)、85(社会保険・社会福祉・介護事業)の事業所で小分類773(施設給食業)を営む場合を追加する。
- 理由は、セントラルキッチンのような接客のない事業所はすでに飲食料品製造業分野で受け入れてきたこと、医療・福祉施設給食の事業所を精査すると接客の比率が低い事業所が多いこと、そして給食等調理員(学校給食を除く)の有効求人倍率が7.37倍(令和8年5月)と人材確保が進んでいないこと。
この案では、外食業分野と飲食料品製造業分野の受入れ見込数そのものは変更されていません(特定技能1号で外食業5万人、飲食料品製造業13万3,500人)。給食業務の新規受入れを、枠に余裕のある飲食料品製造業分野へ移す形です。
ポイント:これは有識者会議に示された「案」で、分野別運用方針の改正(閣議決定)と上乗せ告示の改正はまだ行われていません。給食業務の受入れを検討している事業所には、「2027年度から飲食料品製造業分野で受け入れる方向で検討されている」と伝えるにとどめ、申請の時期や要件は正式な公表を待つ必要があります。
Q8. 外食業の試験に合格した人は、そのまま飲食料品製造業で働けますか
現在の制度では、分野が変わると在留資格変更許可申請が必要です(入管庁 特定技能Q&A 問36)。技能試験も分野ごとに別で、外食業は「外食業特定技能1号技能測定試験」、飲食料品製造業は「飲食料品製造業特定技能1号評価試験」です。技能実習2号を良好に修了した人の技能試験の免除は、技能実習の職種・作業と特定技能の業務に関連性が認められる場合に限られます(同Q&A 問50。日本語試験の免除は職種を問いません)。日本語の要件は両分野とも国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上で共通です。
協議会は、外食業も飲食料品製造業も農林水産省の「食品産業特定技能協議会」で、受入れ機関は構成員になる必要があります。飲食料品製造業分野では、受入れ機関が日本標準産業分類に掲げる産業のうち特定のものを行っている事業所であることが条件になっており、Q7の案はこの対象に施設給食業を加えるものです。給食業務の人が外食業の試験合格のまま飲食料品製造業分野に移れるのか、試験の読み替えがあるのかは、10月19日の資料には書かれていません。確認できるまでは「分野が違えば試験も違う」が現在の整理です。
Q9. 他の分野も止まる可能性はありますか
仕組みとしては、どの分野でも1号特定技能外国人の在留者数が受入れ見込数を超える見込みになれば、分野所管大臣から法務大臣への要請で同じ交付停止措置がとられます(入管法と分野別運用方針の規定。第14回有識者会議 資料4-1)。9月9日の議事要旨でも、有識者が「他分野において上限到達が見込まれる場合についても、状況を精査し、有識者会議等を通じて対策を検討されたい」と求めています。
10月19日の資料1-1に、令和10年度末までの受入れ見込数の一覧(案)が載っています。特定技能1号の合計は82万5,400人で、介護で2万人を育成就労から特定技能1号へ配分し直す案が入っています。分野ごとの在留者数の最新値は入管庁の公表資料で確認し、自社が扱う分野の消化率を四半期ごとに見ておくと、次の停止を「サプライズ」にしないで済みます。
Q10. 登録支援機関と受入企業は、今なにを確認しておくべきですか
現時点で確認しておきたい項目を、確認方法と根拠とともに表にします。
| 確認項目 | 確認方法 | 根拠・出典 |
|---|---|---|
| 申請中の外食業案件の受付日を一覧にする | オンライン申請は「申請受付仮番号」または「申請受付番号」のお知らせメールに記載の申請受付日で確認する。窓口申請は申請した日を案件ごとに控えておく | 交付・許可は受付日順(審査状況ページ) |
| 受付日が2月6日より後の認定申請の本人・送出し側への説明 | 「現在の交付対象は2月6日受付分まで」「再開時期は未定」と事実だけを伝え、入社予定日を確約しない | 審査状況ページ(10月16日時点) |
| 変更申請中の人の在留期限 | 在留期限の3か月前までに順番が来ていない案件を洗い出し、特定活動への申請内容変更の案内に備える | 審査状況ページの留意事項、3月27日公表 |
| 給食業務を行う事業所の産業分類 | 受入先の事業所が日本標準産業分類のどの中分類・小分類に当たるかを確認しておく(案では中分類81・82・83・85の小分類773) | 第15回有識者会議 資料2-2(案) |
| 他分野への切替えに必要な試験と協議会 | 飲食料品製造業特定技能1号評価試験の実施状況と、食品産業特定技能協議会の構成員であるかを確認する | 入管庁 飲食料品製造業分野ページ |
| 更新案件 | 停止措置の影響はないので、満了3か月前からの通常の段取りで進める | 審査状況ページ、在留期間更新許可申請ページ |
判断に迷ったときの相談先
停止措置の下では、「この人は例外に当たるか」「特定活動への申請内容変更を受けるべきか」「給食業務の事業所は今の制度で飲食料品製造業分野に当たるか」といった、個別の事情で結論が変わる判断が増えます。申請内容の変更や分野の切替えは本人の在留に直結するので、受付日と在留期限、事業所の業務内容を整理したうえで、申請書類の作成を担う行政書士に早めに相談するのが確実です。登録支援機関は、期限の管理と事実情報の提供、受入企業と行政書士の間の連絡調整で、その判断を支える役割になります。
RakuVisa で「受付日と在留期限」を並べて見る
RakuVisa は、外国人本人・所属機関・登録支援機関・行政書士の4者をシステム上でつなぎ、在留資格申請をオンラインで進めるサービスです。特定技能外国人の管理機能では、入退社年月日や入出国年月日などの情報を外国人ごとに記録でき、任意の名称で TODO を登録すると期限の2週間前からダッシュボードにアラートが表示されます。「受付日2月6日より後の認定申請」「在留期限の3か月前」といった今回の確認項目を TODO に落としておけば、順番待ちの案件を見落とさずに済みます。分野の切替えで在留資格変更許可申請が必要になったときも、登録支援機関は事実情報の提供と期限の管理を担い、書類の作成は行政書士が行う形で、同じシステム上で進められます。
参考(公的情報)
- 出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」(2026年10月19日掲載、数字は10月16日時点)
- 出入国在留管理庁「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」(2026年3月27日)
- 出入国在留管理庁「特定技能『外食業分野』における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について」(2026年4月13日)
- 出入国在留管理庁「第15回 特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」(2026年10月19日。資料1-1、資料2-2)
- 出入国在留管理庁「第14回 有識者会議」(2026年9月9日。資料4-1、議事要旨)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(問36・問50・問51)
- 出入国在留管理庁「飲食料品製造業分野」
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