所属機関の自社申請をRakuVisaで始める:事前設定から電子申請までの流れ

calendar-icon 2026.10.09

「在留資格の更新くらい、うちの人事担当で出せないだろうか」。外国人を雇用している企業から、こうした相談を受けることが増えています。自社で申請するとなると、次の疑問がすぐに出てきます。入管庁での手続は何から始めるのか。「利用者登録」と「利用申出」は何が違うのか。「届出」と「承認」は別のものなのか。

RakuVisa for Biz には、こうした場面のための「自社申請」プランがあります。書類の準備から入管への電子申請、結果の確認までを、所属機関の職員が RakuVisa の画面の中で進められます。ただし、その前に入管庁で済ませておく手続があります。ここでは、入管庁の手続を順に整理したうえで、RakuVisa の画面での操作をご紹介します。在留申請オンラインシステムの利用申出の概要はこちらの記事でも触れています。

自社申請と、行政書士に依頼するプランの違い

左メニューの「新しい申請を作成」から申請を作ると、作成の4段目「プラン・専門家」に「自社申請」のカードが表示されます。カードの説明文は「自社で電子申請」です。これと並んで、行政書士に依頼する「スタンダード」「プロ」のプランがあります。自社申請のカードは、所属機関(RakuVisa for Biz)の画面にだけ表示されます。

比べる点自社申請行政書士に依頼するプラン
申請の進め方所属機関の職員が、必須項目の入力と書類(PDF)のアップロードから送信まで行う所属機関は事実情報を提供し、書類の作成は行政書士が行う
申請人への確認申請人本人に申請内容の確認・同意を依頼する行政書士との面談と、申請人の同意確認を経てから申請に進む設計
入管への送信提出する職員本人のマイナンバーカードで署名して送信する依頼先の行政書士と連携して進める
事前に要るもの入管庁での手続(次の章)と、サービスプランの契約サービスプランの契約

どちらが自社に合うかは、申請の件数、社内に担当できる職員がいるか、案件の難しさで変わります。判断に迷う案件は、行政書士への依頼を選ぶのが堅実です。

自社で申請するために、入管庁で済ませる手続

所属機関の職員が在留申請オンラインシステムで申請するには、入管庁の説明によると、その職員が「申請等取次者としての承認を受けている又は、承認要件を満たしている」必要があります。実務では、次の3つの手続が別々に必要になります。名前が似ていて混乱しやすいので、まず全体を表にします。

手続誰がどこへ結果として得るもの
① 申請等取次者としての承認申請を担当する職員(個人)機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理局・出張所の窓口、または郵送申請等取次者証明書(有効期間は3年)
② 在留申請オンラインシステムの利用者登録同じ職員(個人)オンラインシステム(メールで登録URLを受け取る)利用者ID
③ 利用申出と承認同じ職員(個人)管轄の地方出入国在留管理官署(オンライン・郵送・窓口)承認後に、オンラインシステムで在留申請ができる
(機関として)外国人の受入れの開始・終了等の届出、外国人雇用状況届出所属機関それぞれの届出先③の承認要件の一つ

「届出」という言葉が出てくるのは、一番下の機関としての届出です。担当職員が行う①〜③のうち、①は入管庁の手続名で「承認」、③は「利用申出」と「承認」です。

① 申請等取次者としての承認

受入れ機関等の職員が、機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理局または出張所に、申請等取次申出書(別記第1号様式)などを提出します。入管庁のページに挙げられている主な書類は次のとおりです。

  • 写真2葉(縦3.0cm×横2.4cm、提出日前6か月以内に撮影)
  • 経歴書
  • 在職証明書(法人の代表者は、登記事項証明書で確認できれば不要)
  • 入国・在留手続に関する知識を持っていることの疎明資料(研修会の受講証明書は、原則として発行から3年以内のもの)
  • 本人確認書類の写し、法人の登記事項証明書またはパンフレット、返信用封筒

承認されると申請等取次者証明書が交付されます。有効期間は3年間(申請を担当する職員が在留資格を持つ外国人の場合は、その在留期間内または3年後のいずれか早い日まで)で、更新は有効期限の2か月前から受け付けられています。有効期間が切れてしまった場合は、更新ではなく新規の承認手続になります。

② 利用者登録(メールアドレスの登録)

在留申請オンラインシステムにメールアドレスを登録すると、登録用のURLがメールで届きます。登録画面で利用者の区分「所属機関等の職員」を選んで手続を完了すると、利用者IDがメールで通知されます。入管庁のドメイン(@rasens-immi.moj.go.jp)のメールを受信できるようにしておくこと、メールが送られてから24時間以内に登録画面へアクセスすることが条件です。

この段階では、まだ申請はできません。利用者IDを取っただけの状態です。

③ 利用申出と承認

利用者登録のあと、システムにログインして「利用申出」を行います。その機関で初めて承認を受けるときは新規利用申出、すでに承認を受けた職員がいる機関で別の職員が加わるときは追加利用申出です。提出はオンライン、郵送、窓口持参のいずれかで、管轄の地方出入国在留管理官署に行います。必要書類は新規・追加で共通です。

  1. 必要書類チェックシート
  2. 利用申出書(オンラインで申出をする場合は不要)
  3. 本人確認資料の写し
  4. 申請等取次者証明書等の写し
  5. 在職証明書
  6. 誓約書

承認の要件は、利用申出をする職員が申請等取次者証明書を持っている(または承認の要件を満たしている)こと、所属機関が申請等取次者の承認の要件を満たしていること、所属機関が外国人の受入れの開始・終了等の届出と外国人雇用状況届出を行っていること、誓約書を出していること、です(カテゴリー3の機関がカテゴリー2と同様の資料で申請したい場合は、事業が安定的・継続的に運営されていることの資料も必要です)。承認までの期間は、入管庁のQ&Aで1週間から2週間程度とされています。承認されて初めて、オンラインシステムで在留申請ができます。

ポイント:利用者IDは個人に付与されます。他の人のIDは使えず、担当者が変わったときは、新しい担当者が追加利用申出を行います。担当者が退職したときは、離職報告書(別記第11号様式)を管轄の官署に出します。

RakuVisa の画面で最初に設定すること

入管庁での手続が済んだら、RakuVisa の左メニュー「利用者情報登録の設定」を開きます。ここでは、入管庁の手続の状況を答えたうえで、入管庁から受け取った認証ID・パスワードを登録します。

画面には「出入国在留管理庁に、申請取次の届出を行っていますか?」という質問があり、「はい」「いいえ」で答えます。この「届出」は RakuVisa の画面での言い方で、入管庁の手続名では、職員個人に対しては「承認」です。画面の説明では、自社申請は事前に手続を済ませた所属機関の職員が使えるプランです。上の表の①〜③でいえば、担当する職員が①の承認を受け、②③まで進んでいる場合に使います。「いいえ」の場合、画面は「届出がお済みでない場合は、行政書士に依頼するプラン(スタンダード・プロ)をご利用ください」と案内します。

まだ在留申請オンラインシステムの利用者登録をしていない場合は、RakuVisa の画面から出入国在留管理庁へ利用者登録を申請することもできます。あわせて、個人設定に「申請時に使う電話番号」「申請時に使うメールアドレス」の項目があります。電子申請の前提条件の案内には個人設定の電話番号が含まれるため、ここも先に入れておきます。

申請から結果の確認までの流れ

  1. 申請を作成し、必須項目と書類を入れる:「新しい申請を作成」から「自社申請」を選びます。必須項目を入力し、添付書類を PDF でアップロードします。未入力があると、あとの電子申請の段階で止まるため、ここで埋めておきます。
  2. 申請人本人に確認・同意を依頼する:申請詳細の「本人確認を依頼」を押します。本人が申請内容を確認し、同意する流れです。認定申請の場合は、画面にこの本人確認の依頼は出ません。
  3. 「電子申請」の欄で前提を確かめる:条件が足りないときは、足りないものの案内が赤字で1つずつ出ます。出る案内は、利用者情報の登録、認証ID・パスワード、個人設定の電話番号、必須項目、添付書類、そして「サービスプランのご契約後に電子申請ができます」です。出たものから順に対応し、案内が出なくなれば次に進めます。
  4. 「電子申請データ確認」で内容を見直す:前提が揃うと確認画面に進めます。送信の前に、氏名・在留期間・添付書類の取り違えがないかをこの画面で確かめます。
  5. 「電子申請を実行する」で送信する:確認画面で内容を確かめたあと、提出する職員本人のマイナンバーカードで署名し、入管へ送信します。
  6. 「申請結果一覧」で受付番号と審査の状況を見る:左メニューの「申請結果一覧」で、自社の職員が電子申請で提出した申請の受付番号と審査ステータスを確認できます。

署名と送信ができるのは、提出する職員本人だけです。入管の受付番号の「詳細」や「受付番号確認」も、提出した本人にしか表示されません。なお、在留期間の満了日当日はオンラインでは申請できず、管轄の官署の窓口で申請することになります。

つまずきやすい点と、使える人の範囲

場面画面での扱い対処
電子申請のボタンが押せない足りない前提の案内が赤字で1つずつ出る出た案内から順に対応する。契約前なら、プランの契約を先に済ませる
育成就労など、窓口申請だけの在留資格「このビザは窓口申請専用のため、電子申請の対象外です」と表示される窓口で申請する
担当者の権限が違う申請を作成できるのは管理者、支店の責任者・担当者の権限。電子申請は経理担当者の権限を除く権限は管理者に確認し、申請を担当する職員に付ける
申請結果を探す「申請結果一覧」は全ての権限で見られ、支店で絞り込める。入管受付番号の詳細は提出者のみ進捗の共有は一覧で行い、詳細は提出者に確認してもらう

こんな場面で使います(再構成した例)

よくある相談をもとに再構成した例です。従業員30名ほどの会社で、人事担当のAさんが、外国人従業員の在留期間の更新を初めて自分で出すことになりました。

Aさんは最初に、研修会の受講証明書などを添えて管轄の入管局で申請等取次者の承認を受けました。続けて利用者登録をして利用者IDを受け取り、利用申出が承認されるまで1〜2週間ほど待ちました。承認後、RakuVisa の「利用者情報登録の設定」に認証ID・パスワードを登録します。次に「新しい申請を作成」から「自社申請」を選び、必須項目を入力して、源泉徴収票などの書類を PDF で上げます。申請内容の確認を従業員本人に依頼し、同意が返ってきたら「電子申請」の欄へ進みます。赤字の案内が出なくなったのを確かめて確認画面を開き、ご自身のマイナンバーカードで署名して送信しました。送信後は「申請結果一覧」で受付番号と審査の状況を確かめ、上司とも共有できます。

一方、同じ会社で在留資格の変更を伴う案件が出たときは、書類の組み立てに迷う点が多いため、行政書士に依頼するプランで進めることにしました。件数が少ない定型の更新は自社で、判断の要る案件は行政書士へ、という使い分けです。

よくある質問

担当者が代わったら、前の担当者のIDを使えますか?

使えません。入管庁のQ&Aでは、IDは個人に付与され、担当者が変わるときは追加利用申出を行うとされています。署名も提出する職員本人のマイナンバーカードで行うため、交代の時期は早めに決めて、承認を待つ間の申請の予定を組み直しておきます。

経理担当者も自社申請を使えますか?

経理担当者の権限は、電子申請の対象から外れています。一方、「申請結果一覧」は全ての権限で見られるため、経理担当者が進捗を把握することはできます。

自社申請の費用はどうなりますか?

サービスプランの契約が必要です。料金は契約時のプランの表示で確かめてください。入管庁への手数料は別にかかります。手数料の考え方は手数料改定の記事に整理しています。

自社申請を始める前に確認したい5点

  1. 申請を担当する職員が、申請等取次者としての承認を受けているか(まだなら①から)。
  2. その職員が在留申請オンラインシステムの利用者登録を済ませ、利用申出の承認を受けているか(承認は担当者ごと)。
  3. 所属機関として、外国人の受入れの開始・終了等の届出と外国人雇用状況届出を行っているか。
  4. RakuVisa の「利用者情報登録の設定」と、個人設定の電話番号・メールアドレスを入れたか。
  5. 今回の案件が、自社で進めてよい難しさか。不許可歴、書類の不足、在留資格の変更を伴う案件などは、行政書士に相談してから決める。

参考(公的情報)


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