特定技能在留者数(2026年6月末):2号は2.3倍、登録支援機関の備え

calendar-icon 2026.10.28

2026年6月末の特定技能在留外国人は444,256人でした。半年前の2025年12月末から53,960人増えて過去最高ですが、半年ごとの増加率は13.8%で、前回の16.1%、前々回の18.2%から2回続けて下がっています。その一方で、特定技能2号は7,955人から18,295人へ、約2.3倍に増えました。

出入国在留管理庁が2026年9月に公表した「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)のポイント」と「特定技能制度運用状況(令和8年6月末)」の数字です(いずれも速報値)。登録支援機関にとっては、支援の対象になる1号の伸び方、2号へ移る人の増え方、そして2027年4月に施行される登録支援機関の体制要件の3つに関わる内容です。

2025年12月末と2026年6月末の比較

まず全体の数字を、前回公表(2025年12月末)と並べます。許可件数は制度開始以降の累計です。

区分2025年12月末2026年6月末増加
特定技能 全体390,296人444,256人+53,960人(13.8%)
うち1号382,341人425,961人+43,620人(11.4%)
うち2号7,955人18,295人+10,340人(130.0%)
在留資格認定証明書の交付(累計)233,797件277,013件+43,216件
在留資格変更の許可(累計)418,993件493,467件+74,474件

6月末の在留者のうち、上陸時に特定技能の許可を受けた人は211,052人、在留資格の変更などで特定技能になった人は233,204人です。半年間の許可件数でも、変更(+74,474件)が認定証明書の交付(+43,216件)を上回っています。技能実習や留学など、すでに日本にいる人からの切替えが受入れの中心であることは変わっていません。

分野別:伸びている分野と止まっている分野

1号の在留者を分野別に見ると、上位8分野の人数の順位は前回と同じですが、伸び方には差があります。

分野(1号)2025年12月末2026年6月末増加率
飲食料品製造業93,393人100,769人7.9%
介護67,871人79,884人17.7%
工業製品製造業56,736人62,033人9.3%
建設49,323人52,132人5.7%
外食業43,869人49,060人11.8%
農業37,952人44,050人16.1%
ビルクリーニング8,395人10,171人21.2%
宿泊1,968人2,556人29.9%
自動車運送業151人558人269.5%

増えた人数がいちばん多いのは介護で、半年で12,013人増えました。率で見ると、在留者が1,000人以上の分野では宿泊(29.9%)、航空(24.0%)、ビルクリーニング(21.2%)が高く、1号全体の11.4%を大きく上回っています。自動車運送業は151人から558人、木材産業は15人から74人、林業は0人から19人と、比較的新しい分野も人数が出始めました。分野別の表には、6月末時点で在留者が0人のリネンサプライ・物流倉庫・資源循環も並んでいます。

外食業の1号は49,060人です。外食業分野は受入れ見込数5万人を超える見込みとなったため、2026年4月13日から在留資格認定証明書の不交付などの措置が取られています。審査は変更申請が優先され、認定証明書は受付日順に交付が進められています。現在の審査状況と給食業務の移行案は「特定技能「外食業」受入れ停止の現在地」で整理しています。外食業の受託が多い登録支援機関は、この分野で新規の受託が増える前提で計画を立てないほうがよいと考えられます。

国籍と地域の動き

1号の国籍・地域別では、ベトナム163,154人(増加率2.9%)、インドネシア107,242人(23.9%)、ミャンマー52,993人(19.6%)、フィリピン37,859人(6.6%)、中国22,200人(3.7%)の順です。1号と2号を合わせた全体では、ベトナムの割合が2025年12月末の42.1%から39.8%に下がり、半年の増加数はインドネシアが21,412人で最多でした。支援の現場では、インドネシア語・ミャンマー語での相談対応や生活オリエンテーションの準備が、これまで以上に問われる場面が増えると考えられます。

都道府県別の1号は、愛知県31,677人、東京都28,541人、大阪府27,582人が上位です。増加率では北海道が19.7%と上位10都道府県の中で最も高く、全体の増加数では東京都(+4,049人)が最多でした。

2号が2.3倍に:支援の委託が終わる人が増える

2号の18,295人を分野別に見ると、建設5,329人(2025年12月末は1,799人)、飲食料品製造業4,703人、農業2,387人、工業製品製造業2,386人、外食業2,046人です。国籍はベトナムが13,761人で75.2%を占めます。2号の技能試験の合格者数(累計)も、2025年12月末の23,205人から2026年6月末の38,825人に増えており、今後も2号へ移る人は増えていくとみられます。

登録支援機関にとって見逃せないのは、1号と2号で支援の扱いが違うことです。

  • 入管庁の説明では、支援計画の作成と支援の実施は1号特定技能外国人を受け入れる機関に求められるもので、その実施を登録支援機関に委託できる、という整理です。
  • 2号の在留期間は「3年、2年、1年又は6月」で、1号のような通算在留期間の上限はありません(特定技能制度に関するQ&A Q28)。
  • 2号では家族の帯同(在留資格「家族滞在」)が認められ、1号では認められません(同 Q9)。

つまり、受託している1号の人が2号へ移ると、その人については支援委託の前提がなくなる可能性があります。たとえば建設分野の所属機関から「来年、うちの3人が2号の試験に合格したら、委託料はどうなるのか」と聞かれたとき、契約書の対象者や料金の決め方が人数単位になっていれば、答えはすぐ出せるはずです。2号特定技能外国人に関する書類として、参考様式第1-32号「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」もあります(RakuVisaの対応のお知らせ)。2号を目指して試験で一定の点を取った人が通算6年まで1号で在留できる特例は「通算5年に含まれない期間と6年までの延長」にまとめています。

ポイント:2号へ移る人が増えると、登録支援機関が受託する1号の人数は、新規の受入れが続いていても伸びにくくなります。受託先ごとに「2号の試験に合格した人・受験予定の人」を把握しておくと、委託契約の見直しを所属機関と前もって話せます。

登録支援機関は11,456件:2027年4月の体制要件で試算する

2026年6月末時点の登録支援機関の登録件数は11,456件です。類型別(個人が複数の類型に当たる場合は重複して計上した11,506件の内訳)では、会社(株式会社・合同会社等)6,556件(57.0%)、中小企業事業協同組合2,839件(24.7%)、行政書士744件(6.5%)、一般社団法人202件(1.8%)、行政書士法人116件(1.0%)、その他1,049件(9.1%)でした。

1号の在留者数を登録件数で単純に割ると約37人です。実際には所属機関が自社で支援する場合もあり、1機関あたりの受託人数を示す数字ではありませんが、支援担当者を何人置くかを考える目安にはなります。

2027年4月1日施行の改正では、支援業務を行う事務所ごとに常勤の役員又は職員から支援責任者・支援担当者を1名以上選任し(兼務可)、支援担当者の数が次の2つをいずれも超えていることが求められます。

  • 支援業務の委託を受けている特定技能所属機関の数を10で割った数
  • 支援を行っている1号特定技能外国人の数を50で割った数

所属機関30社から1号120人の支援を受託している場合、30÷10=3、120÷50=2.4なので、3を超える4人の支援担当者が要る計算です。2号へ移った人が外れる一方、新しい受託で1号が増えると必要人数は変わるので、受託人数の見通しと合わせて試算しておくと安心です。支援責任者には養成講習の受講が義務付けられますが、当分の間は修了していなくても差し支えないとされています。

⚠ 注意:基準は「以上」ではなく「超えている」です。割り切れるとき(例:所属機関40社なら40÷10=4)は、ちょうど4人では足りず5人が必要になります。登録の期間が2027年7月31日までに満了する機関は、施行日前に更新を申請すれば施行日前の要件で更新できます。

いつまでに何をするか

  1. 年内に:受託している所属機関の数と1号の人数を事務所ごとに数え、2027年4月の基準で必要な支援担当者数を試算する。今の体制で足りない場合、採用や配置の検討には時間がかかるためです。
  2. 年内に:受託先ごとに、2号の試験に合格した人・受験予定の人を一覧にする。2号への変更の時期が見えれば、支援委託契約の対象者や料金の見直しを所属機関と前もって話せます。支援委託契約を変更・終了するときの届出は所属機関が行います(参考様式第3-3-1号・第3-3-2号)。
  3. 登録の期間が2027年7月31日までに満了する機関は:施行日(2027年4月1日)より前に更新を申請するかどうかを決める。更新申請は、有効期限が到来する月の6か月前の初日から4か月前の月末までです。
  4. 外食業の受託がある機関は随時:入管庁の「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」のページを開き直し、所属機関に伝える。数字は掲載のたびに変わります。

数字を読むときのよくある誤解

「過去最高なので、受託はこのまま増え続ける」

人数は過去最高ですが、半年ごとの増加率は18.2%→16.1%→13.8%と下がっています。外食業のように受入れ見込数に達して新規の受入れが止まる分野もあり、分野ごとに見通しは違います。自社の受託先の分野構成と照らして読む必要があります。

「2号になっても義務的支援は続けなければならない」

支援計画の作成と実施は1号特定技能外国人を受け入れる機関に求められるもので、2号の人は対象にならないと整理できます。ただし、所属機関が生活面のサポートを引き続き依頼したいと考えることはあり得ます。その場合は義務的支援とは別の契約として、内容と料金を分けて取り決めるのが分かりやすいでしょう。

「体制要件は大手の登録支援機関だけの話」

要件は事務所ごとにかかり、10と50で割った数を「超える」人数が求められます。受託先が9社以下・1号が49人以下なら支援担当者1人で足りますが、受託先が10社になった時点、または1号が50人になった時点で2人が必要になります。小規模な機関ほど、受託の増加や、1人の退職で基準を下回るおそれがある点に注意が必要です。

RakuVisaで受託状況を把握する

RakuVisaの特定技能外国人の管理機能では、義務的支援の記録や期限アラート付きのTODOを管理できます。支援の記録と期限をまとめておくことは、体制要件の試算や、2号へ移る人を早めに把握する土台にもなります。参考様式第1-32号(2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書)にも対応しています。

参考(公的情報)


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