在留申請オンラインシステム:受入企業が自社申請を始める手順と行政書士への依頼

calendar-icon 2026.09.25

10月から在留期間の更新をオンラインに切り替えるとしたら、その申請は「誰のID」で出すことになるでしょうか。

2026年10月1日から、在留資格変更・在留期間更新の手数料は窓口とオンラインで額が分かれ、1年の許可なら窓口33,000円に対してオンライン27,000円です(手数料改定の記事で一覧にしています)。オンライン申請を検討する受入企業は増えると考えられますが、出入国在留管理庁の「在留申請オンラインシステム」は、申請する人ごとに利用者登録や承認が必要な仕組みです。

受入企業が選べる申請の形は、大きく分けて自社の職員が申請する、外国人本人が申請する、行政書士に依頼するの3つです。ここでは3つの違いと、自社申請を始めるまでの手順、10月からの手数料の払い方を順に整理します。

誰が申請するか:3つの形の比較

申請の形事前に必要なこと向いている場面
自社の職員が申請する職員の利用者登録と「利用申出」の承認(申請等取次者の承認、または承認要件を満たすことが前提)受入れ人数が多く、毎年の更新を社内で回したい
外国人本人が申請する本人のマイナンバーカードと、マイナポータルアプリを入れたスマートフォン本人が手続に慣れていて、会社は書類の準備を支える
行政書士に依頼する会社側でのシステムの利用者登録・利用申出は不要(行政書士が自分のIDで申請する)。書類の準備は会社にも残る転職者の申請など判断が難しい案件、書類作成まで任せたい

入管庁のQ&Aでは、弁護士・行政書士にはそれぞれ固有の利用者IDが付与され、依頼を受けた所属機関ごとに利用者登録や利用申出をすることはできないとされています。行政書士に依頼する案件については、受入企業が自社の利用者登録や利用申出を行う必要はありません。

自社申請を始めるまでの流れ

入管庁の「所属機関・公益法人・登録支援機関の職員の方」のページでは、利用開始までを3つのステップで案内しています。

STEP1:利用者登録(利用者IDの取得)

システムのログイン画面で「新規登録」を押し、メールアドレスを入力すると登録用のURLが届きます。利用者区分を選んで必要事項を入力すると、利用者IDが発行されます。登録画面へ進めるのはメールが届いてから24時間以内です。

なぜ個人単位か:IDは職員ごとに発行され、別の職員が同じIDを使うことはできません。担当者を複数置くなら、それぞれが登録します。

STEP2:利用申出(承認まで1〜2週間程度)

利用者IDを取ったら「利用申出」を行い、承認を受けます。申出はオンラインのほか、郵送や窓口への持参でもできます。入管庁のQ&Aでは、承認まで1週間から2週間程度かかるとされています。新規の利用申出で求められる書類は次のとおりです。

  • 必要書類チェックシート
  • 在留申請オンラインシステム利用申出書(オンラインで申し出る場合は不要)
  • 本人確認資料の写し
  • 申請等取次者証明書の写し、または研修会修了証書等の写し
  • 在職証明書
  • 誓約書

なぜ時間に余裕を見るか:承認前は申請できないため、更新期限が近い外国人がいる場合は、窓口申請と並行して準備するほうが安全です。

STEP3:在留申請

承認後、システムから申請します。受付は24時間365日(メンテナンス時を除く)で、申請後およそ10分で「仮番号」のメール、翌日に「申請受付番号」のメールが届くと案内されています。オンラインで申請できる手続は、在留資格認定証明書交付、在留資格変更許可、在留期間更新許可、在留資格取得許可、就労資格証明書交付の各申請です。再入国許可・資格外活動許可の申請は、在留資格変更・在留期間更新・在留資格取得の申請と同時に行う場合にオンラインで出せます。

利用申出でつまずきやすい点

取次者証明書がなくても、研修会の修了証書等で申し出られる

所属機関の職員は、申請等取次者としての承認を受けていなくても、承認要件を満たしていれば利用できます。書類も「申請等取次者証明書の写し、または研修会修了証書等の写し」とされています。取次者の承認を先に取らなければならない、と考えて準備を後回しにしている会社は、要件を確かめ直す価値があります。

受入れの届出が済んでいるか

利用申出の承認要件には、所属機関が外国人の受入れの開始・終了等の届出を行っていること、外国人雇用状況届出を行わなければならない事業主はその届出を行っていることが含まれます。過去の届出漏れがあると、ここで止まります。

担当交代と3年ごとの定期報告

承認の有効期間は承認日から3年間で、続けて使うには有効期限の1か月前までに定期報告が必要です。担当者が替わったときは、後任が追加利用申出を行います。利用者が離職したときは離職報告書を出すよう案内されています。人事異動の手続に、システムの担当変更を組み込んでおくと抜けません。

登録支援機関には申請ではなく、支援で関わってもらう

特定技能外国人の支援を登録支援機関に委託している受入企業からは、「更新の申請も支援会社にお願いしている」という声を聞くことがあります。登録支援機関の職員も、制度上は申請等取次者としての承認を受けて申請を取り次ぐことができます。

⚠ 注意:ただ、登録支援機関が申請を取り次ぐと、その手前の申請書類の作成も登録支援機関が行ったと見なされる可能性が高まります。報酬を得て申請書類を作成することは、行政書士法との関係で問題になり得ると解されます。RakuVisa では、行政書士への依頼、受入企業の自社申請、本人申請のいずれかをお勧めしています(取次・作成・入力の境界はこちらの記事で整理しています)。

登録支援機関には、在留期限の管理や、申請に必要な事実情報の提供、受入企業・行政書士との連絡調整といった形で関わってもらうのが、リスクを抑えた分担と整理できます。

2026年10月1日から変わる手数料の払い方

オンライン申請の手数料の払い方は、2026年10月1日以降に受け付けた申請から変わります。自社申請に切り替えるなら、経理とあわせて払い方を決めておく必要があります。

項目窓口申請オンライン申請(10月1日以降の受付分)
納付方法収入印紙コンビニ決済または銀行決済(収入印紙は使えない。クレジットカード・QRコード決済にも非対応)
額が決まるタイミング許可された在留期間の区分で決まり、審査後に通知同じ。審査完了メールのあと、決済の案内メールが届く
決済手数料―変更・更新で許可期間が3年未満なら330円、3年以上なら550円(再入国許可・就労資格証明書は220円)。コンビニ・銀行とも同額
9月30日までに受け付けた申請許可が10月1日以降でも改定前の額(オンラインは5,500円など)。収入印紙で納付する

ポイント:決済の案内メールは、利用者情報の登録時のメールアドレスに届きます。担当者個人のアドレスで登録すると、休暇中に案内が止まることがあります。案内を経理にどう回すか、誰が支払うかを先に決めておくと、許可後の手続が滞りません。

申請できない・手戻りになる典型例と防ぎ方

典型例防ぎ方
在留期間の満了日当日にオンラインで出そうとした満了日当日はオンライン申請ができず、管轄の地方出入国在留管理官署で申請する必要がある。6か月以上の在留期間があれば更新は満了の3か月前から申請できるので、前倒しで準備する
更新期限の直前に利用申出を始めた承認まで1〜2週間程度かかる。期限が迫る案件は窓口申請か行政書士への依頼に切り替える
在留カードを郵送で受け取るつもりだった再入国許可を同時に申請する場合、漢字氏名の併記を申し出る場合、在留カードの有効期間の更新を伴う場合などは郵送できない。受取方法を申請前に本人と確認する
担当者の退職で申請が止まったIDは職員ごと。後任の追加利用申出を早めに進め、2人以上を登録しておく

よくある質問

Q1. 一部の案件だけ行政書士に依頼し、残りを自社申請にできますか?

できます。行政書士は自分のIDで申請するため、自社の利用申出とは別に進みます。定型的な更新は自社、転職者の申請や不許可が心配な案件は行政書士、という分け方が考えられます。

Q2. 申請後に追加資料を求められたら、窓口に行く必要がありますか?

入管庁のQ&Aでは、追加提出を求められた資料はオンラインで提出できると案内されています。求められた資料をPDFにし、「資料添付に係る申告書」と一緒に出します。

Q3. 本人が申請する場合、会社は何を準備しますか?

本人の利用には、マイナンバーカードと、マイナポータルアプリを入れたスマートフォンが必要です(ICカードリーダーは使えません)。会社は在職証明など所属機関が用意する書類を本人に渡し、申請の時期を一緒に確認します。

Q4. 9月中に出した申請の手数料はどうなりますか?

2026年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の額で、収入印紙で納付します。どちらの額になるかは「申請受付日」で決まります。入管庁は、申請受付日を「申請受付仮番号」または「申請受付番号」のお知らせメールで確認するよう案内しているので、そのメールを保存しておくと安心です(メールが届いた日ではなく、記載された受付日で判断します)。

RakuVisa で自社申請と行政書士への依頼を一か所に

RakuVisa は、入管庁のAPIと連携したオンライン申請の仕組みで、外国人本人・所属機関・登録支援機関・行政書士の4者をつなぎます。受入企業(RakuVisa for Biz)は自社で申請することも、登録された行政書士に依頼することもできます。行政書士に依頼する申請では、登録支援機関の権限は事実情報の提供に限定される設計のため、支援の委託先と申請の担い手の役割を分けたまま運用できます。

おわりに:オンライン申請に切り替える前に決めておく5点

  1. 案件ごとに、自社・本人・行政書士のどの形で申請するか
  2. 自社申請の担当者は誰で、2人以上を登録するか
  3. 受入れの届出や外国人雇用状況届出に漏れがないか
  4. 10月1日以降の手数料を、誰がどの決済方法で払うか
  5. 登録支援機関には申請ではなく、期限管理と事実情報の提供で関わってもらう分担になっているか

利用申出の承認には1〜2週間程度かかります。更新時期が近い外国人がいる場合は、まずその案件の申請の形を決め、自社申請にする分から準備を始めてください。

参考(公的情報)


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